末梢性顔面神経麻痺の原因
腫瘍性麻痺および術後性麻痺
脳腫瘍(特に聴神経腫瘍)や耳下腺腫瘍では腫瘍が顔面神経を圧迫したり、腫瘍を切除する際に顔面神経が損傷されて麻痺をおこします。特に、悪性腫瘍の場合、顔面神経に腫瘍が食い込んだりする(浸潤する)ことで腫瘍性顔面神経麻痺を生じたり、腫瘍自体の切除手術において、顔面神経が腫瘍と一緒に切除されてしまうことも多く、これらを術後性顔面神経麻痺と言います。
末梢性顔面神経麻痺の原因における腫瘍の占める割合は、比較的少ないですが、具体的には小脳橋角部腫瘍、聴神経腫瘍、顔面神経鞘腫、中耳癌、耳下腺腫瘍などが挙げられます。中耳癌や耳下腺癌などの悪性腫瘍摘出時に、顔面神経も一緒に切除される場合には、神経縫合、神経移植などの形成外科的手術手技が必要となります。脳腫瘍の場合も同様ですが、腫瘍が頭がい骨内で切除されるため、同時に神経移植などの再建を行うことは大変難しくなります。
前の話題:外傷性麻痺
次の話題:耳性麻痺
顔面神経麻痺特集ショートカット
【顔面神経麻痺の基礎知識】
»顔面神経麻痺とは »顔面(神経)麻痺の原因 »顔面麻痺の分類1(末梢性麻痺と中枢性麻痺) »顔面麻痺の分類2(急性麻痺と陳旧性麻痺) »顔面神経麻痺の症状 »顔面神経麻痺の診断 »顔面神経麻痺の検査 »顔面神経麻痺の治療 »顔面神経麻痺のリハビリについて »顔面神経麻痺でやってはいけないこと »顔面神経麻痺の後遺症 »顔面神経麻痺チェック