レーザー治療 (アザとシミ)
当科は多数のレーザーを保有しており、太田母斑や単純性血管腫に対する健康保険診療や、シミやホクロに対する自費診療を行っています。
また、トレチノイン治療などを用いて、 アンチエイジング医療など肌の総合的な治療も行っております。
【当科のレーザー装置の紹介】
Qスイッチルビーレーザー |
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メラニン沈着の治療に広く用いられている有名なレーザーです。太田母斑や扁平母斑をはじめ、シミの治療にも使われます。太田母斑、扁平母斑は健康保険診療が認められますが、シミの治療は自費診療となります。 |
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QスイッチNd:YAGレーザー |
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メラニンをターゲットとするレーザーですが、ルビーレーザーよりメラニンに対する吸収性は低いものの深達度が高いという特性上、異所性蒙古斑や外傷性刺青、装飾性刺青などに用いられます。 装飾のために入れた刺青(いれずみ)をとるには、健康保険は使えません。 |
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炭酸ガスレーザー |
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レーザーメスとして使われるほか、レーザーピーリングやホクロの治療に組織非選択的レーザーとして用いられます。ピーリングやホクロの治療は自費診療となります。 |
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Vビーム (パルス幅可変式色素レーザー) |
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従来から赤アザの治療に広く用いられてきたパルス色素レーザーの改良版です。噴射型冷却装置が装備された上にパルス幅が可変になり、赤アザの治療成績向上に大きく貢献しています。 |
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フラクショナルレ―ザー |
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レーザーで皮膚に微小な点状の孔を作り、皮膚の再構築を促すことで肌の再生を行います。ニキビ痕、小じわ、瘢痕などの治療に用いますが、治療は自費診療となります。 |
いわゆる”アザ”の治療について
一言に”アザ”といっても、医学的にはたくさんの種類があります。メラニン系(茶・青・黒)と血管系(赤)に分類されます。レーザーによる”アザ”の治療の概略を以下にまとめます。
メラニン系のアザ |
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太田母斑・異所性蒙古斑 |
Qスイッチルビーレーザーを用いて治療します。治療中に生じた炎症後色素沈着にはレチノイン酸治療が有効なこともあります。 治療期間は半年から数年かかります。 レーザー照射は健康保険診療です。 |
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扁平母斑 |
基本的にはQスイッチルビーレーザーを用いますが、治療成績は安定せず、なかなか良い結果が得られないこともあります。 顔面のものであればトレチノイン治療が奏功することも多く、積極的に行っています。レーザー治療には健康保険が使えますが、トレチノイン治療は自費診療となります。 |
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色素性母斑 |
色素性母斑は小さいもの(いわゆるホクロ)と大きなものとで治療方針や治療に対する満足度に大きな違いが生じます。 ホクロは炭酸ガスレーザーを用いた蒸散治療が簡便で非常に便利です。 しかし、大きなものは手術による治療をお勧めします。ホクロ(黒子)の治療には健康保険は使えません。 |
いわゆる“シミ”など、加齢性の色素沈着症の治療について
医学用語に“シミ”という言葉はなく、正しくは「色素沈着症」といいます。“シミ”といわれる色素沈着症には、いくつかの種類があります。治療は美容目的が多いので、一般的には健康保険は使えません。ただ、レーザー治療は”シミ”を悪化させる場合があり、内服薬、トレチノイン漂白療法などを選択する必要があります。当科では専門医が相談にのっておりますので、受診の上、ご相談ください。
日光性色素斑 |
日常最もよく見かけるいわゆるシミです。頬部や耳前部の日光のよくあたるところに生じる丸い境界 のはっきりした色素斑です。紫外線がその主な原因 と考えられています。比較的治療しやすい色素沈着です。レーザーあるいはトレチノイン漂白療法が効果的です。 |
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脂漏性角化症 |
扁平もしくはドーム状に隆起した茶褐色斑が特徴的ないわゆる“老人性のイボ”です。 炭酸ガスレーザーを用いて蒸散(削る)治療を行います。 |
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肝斑 |
両側の頬部に対称性に生じます。ぺったりとした色素斑です。なかなか取れにくく、治療に時間がかかります。レーザー治療で悪化することがあるので、最近では、トラネキサム軟膏なども開発されております。 |
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雀卵斑 |
細かい円形の色素斑です。本来皮膚科でいう雀卵斑は、先天性のものをいいます。取れやすいのですがやや再発傾向が認められます。 |
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