末梢性顔面神経麻痺の原因
その他(先天性および後天性)の麻痺
末梢性顔面神経麻痺を引き起こす先天性疾患として、次のようなものが挙げられます。
1、先天性のもの
第一、第二鰓弓症候群(Hemifacial Microsomia)、口角下制筋形成不全、トリーチャー・コリンズ症候群、メビウス症候群、などの先天性疾患に加え、鉗子分娩等による分娩周期外傷では、生まれつき麻痺の症状が出現することがあります。特に、両側性顔面神経麻痺があるメビウス症候群は、顔面に全く表情が無いのが非常に特徴的です。
2、後天性のもの
糖尿病、アルコール性ニューロパチー、重症筋無力症、ウェゲナー肉芽腫症、高カルシウム血症、ポルフィリン尿症、甲状線機能低下症、サルコイドーシス(ヘールフォルト症候群)、膠原病、メルカーソン・ローゼンタール症候群、などの全身疾患でも麻痺の症状が出ることがあります。この他には、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群、球麻痺、などの神経疾患で、症状の一つとして顔面神経麻痺の症状が出ることもあります。しかしこれらは、ベル麻痺やハント症候群に比べてはるかに稀なものです。
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