顔面神経麻痺の基礎知識
顔面(神経)麻痺の原因
顔面麻痺の原因にはさまざまなものがありますが、その70%以上はある日突然に起こる麻痺で、顔に違和感(顔に「こり」があるなど)を感じた患者さんが、鏡を見て、はじめて顔が歪んでいることに気がついたり、人に言われて分かることも多いようです。
このタイプの顔面麻痺の原因として、ヘルペスウイルスというウイルスの感染症が原因と考えられており、ベル麻痺と(ラムゼイ)ハント症候群の2つに分かれます。ベル麻痺は、原因不明の麻痺も含めて突然に起こる麻痺の総称で、「特発性麻痺あるいはベル麻痺」と呼びますが、最近では単純ヘルペスウイルスが原因とされることが多いようです。しかし、完全に証明されているわけではありません。対して、ハント症候群は、水痘帯状疱疹ウイルス(背中にできることの多い、いわゆる帯状疱疹の原因ウィルス)が原因であることが、古くから判っています。
ベル麻痺は、顔面麻痺全体の70%ほどを占め、ハント症候群が10%ほどで、ウイルスの抗体検査で確定診断を行います。
残りの20%程度の顔面麻痺の原因としては、生まれつきのもの、外傷や腫瘍切除に伴うもの、中耳炎手術後、脳卒中後遺症などがあります。詳細については、末梢性顔面神経麻痺の原因のところをご参照ください。
- ベル麻痺についての詳しい記述はこちら
- ハント症候群についての詳しい記述はこちら
- 外傷性麻痺の詳しい記述はこちら
- 腫瘍麻痺および術後性麻痺の詳しい記述はこちら
- 耳性麻痺の詳しい記述はこちら
- その他(先天性および後天性)の麻痺についての詳しい記述はこちら
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