マイクロサージャリーによる組織(遊離皮弁)移植術
遊離皮弁 (ゆうりひべん、Free flap)
形成外科の代表的手技の1つであるマイクロサージャリーを使って、移植する身体各部の血管柄付きの組織弁をいいます。皮膚・皮下脂肪弁や筋肉・骨などに血管を付けた「生きた自家組織」を移植できるので、様々な欠損や変形の再建に用いられる代表的な形成外科手技です。現在、身体の約40程度の組織が自家移植されます。遊離皮弁法による再建の代表的なものには以下のものがあります。
(1) 顔面・口腔・頸部(頭頸部)の悪性腫瘍(癌)切除後の再建
(2) 乳癌切除後の乳房再建
(3) 外傷により骨・筋肉・皮膚が大きく失われた場合の再建
(4) 顔面神経麻痺により片側の顔面が全く動かなくなった場合の再建
(5) 先天的、あるいはケガなどで手指が失われた場合の再建
(切断指再接着足趾(あしゆび)移植による切断指再接着)
(6) さまざまな原因による陥凹変形や瘢痕拘縮の再建
(7) 四肢悪性腫瘍(骨肉腫など)切除後の再建(四肢温存術)
など。
顔面に移植する遊離皮弁 | 約40種類以上の組織が移植できる |