顔面神経麻痺のケア

リハビリ

 顔面神経麻痺のリハビリに関しては、麻痺発症後2年以内の回復性麻痺(おもにベル麻痺やハント症候群)に対するリハビリが主になります。またこのリハビリは、薬や手術による治療を補うものですので、自然治癒が見込めるような軽症例にはリハビリは必ずしも必要ではありません。

 しかし、表情筋のこわばり(顔面拘縮といいます)が生じるような重症な麻痺症状の場合には、顔面に痛みが生じることがあります。このような顔面拘縮や痛みの緩和や予防をするために、急性期(特に最初の1~2週間)は蒸しタオルなどで1日2回程度、温めて血の巡りをよくすることをお勧めします。また、マッサージ、特に表情筋のストレッチ運動などを行うこともお勧めします。

 低周波電気刺激や過度の顔面運動といった不適切なリハビリにより、異常(病的)共同運動という後遺症が強く出ることがあります。これは神経回路の混線とも言えるものです。例えば下記のような現象です。

  1. 目を開いたり閉じたりすると自然と口が動いてしまう
  2. 口をとがらすと目も一緒に閉じてしまう
  3. 食べ物を食べると唾液と同時に涙も出てくる(ワニの涙症状)

そのような異常共同運動を予防するためには、顔面の筋肉の安静を図り、表情筋を収縮させるのではなく、ストレッチによる弛緩を心がけることが大切です。

 

 

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