顔面神経麻痺の基礎知識

顔面麻痺の分類2(急性麻痺と陳旧性麻痺)

 顔面神経麻痺は、麻痺の生じた時期や期間によって、急性麻痺と慢性麻痺のように分類します(以下にも記載していますが、顔面麻痺では、慢性麻痺=陳旧性麻痺といいます)。

  顔面神経麻痺の70%以上は、ある日突然に起こる麻痺で、患者さんは鏡を見て顔が歪んでいることで、麻痺に気がつきます。このような急性の顔面神経麻痺は、ベル麻痺とハント症候群を原因とすることがほとんどで、その80%近くが1年以内に回復します。しかし、特にハント症候群では、数%は完全麻痺、10数%に異常共同運動を伴う不完全麻痺が残ってしまいます。

  このように、急性顔面神経麻痺の後遺症として、慢性化して残ってしまった顔面麻痺のことを、陳旧性顔面神経麻痺と呼びます。顔面神経が損傷されてから1年以上経過しても神経の再支配が行われない場合、表情筋は脱神経性萎縮と呼ばれる萎縮(いしゅく)状態になり、回復が不可能となってしまいます。陳旧性顔面神経麻痺はこの状態のことで、麻痺の重症度によって完全麻痺と不完全麻痺に分類されます。

 

  急性顔面神経麻痺と陳旧性顔面神経麻痺についての詳しいしい説明は、以下の【顔面神経麻痺の種類】の各項目をご参照ください。

 

 

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