顔面神経麻痺の基礎知識

顔面麻痺の分類1(末梢性麻痺と中枢性麻痺)

 顔面麻痺は、神経が損傷を受ける場所によって中枢性麻痺と末梢性麻痺に分かれます。

  中枢性(あるいは核上性)顔面神経麻痺とは、大脳皮質から皮質延髄路、皮質網様体路など、顔面神経核に至るまでに原因がある場合に起こる顔面神経麻痺の総称です。主に、脳梗塞や脳腫瘍など脳実質の病変が原因で発症します。

  顔面の上半分にある前額部や眼の周囲の筋肉は、左右の大脳皮質によって支配されているため、もし、右側が損傷を受けた場合でも、左側の機能がバックアップの機能を果たしますので、麻痺の程度は軽症となる場合が多いのが特徴です。

 

  一方、末梢性(あるいは核性、または、核下性)顔面神経麻痺とは、一般的に、顔面神経核から顔にいたるまでの神経経路(顔面神経管および顔面)で起こる麻痺の総称です。

顔面の下半分にある表情筋は、片側のみの大脳皮質に支配されています(例えば、右側の表情筋を支配するのは、大脳皮質の左側のみとなります)。したがって、左側の大脳皮質に損傷を受けた場合、右側の表情筋に麻痺が発生します。

  このため、中枢性麻痺の症状が軽度な麻痺であるのに比べて、末梢性麻痺の場合は、片側のみの顔面麻痺を生じるため、機能や表情に左右差が生じます。この点が中枢性麻痺と末梢性麻痺の明らかに異なる点です。

  詳細は、末梢性麻痺中枢性麻痺の項目をご参照ください。

 

 

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