性同一性障害の外科治療について

問い合わせ先

 本件専用の問い合せ先:prs-gender@ks.kyorin-u.ac.jp
(内容が難しいため、病院のお問合せ電話番号では対応することができませんので、上記へご連絡ください。混雑の都合で返信までに1週間程度のお時間をいただく場合がございます。)

 

杏林大学医学部附属病院で手術ができるようになりました。

 現在、性同一性障害の外科治療ができる施設は限られています。杏林大学形成外科では、全国からのアクセスが容易である東京都での治療を可能にするため、山梨大学医学部付属病院形成外科の百澤教授の協力のもと2020年度より白石医師と大島医師による外科的治療を開始しました。(白石医師は2018年度より山梨大学医学部付属病院の百澤医師の指導をうけており、大島医師は同院に2年間の勤務経験があります。ともに十分な治療を行うことが可能で、両名を含む特別チームを組んで治療を行います。)

 

 

・音声治療の開始について、現在当院耳鼻科の音声治療専門医と準備を進めております。

 

当院での治療について

 

MTFの方、FTMの方、共通事項

1) 患者様に必要なもの
当院には、精神科のジェンダー専門医がおりませんので、診断のプロセスは、外部機関にお願いしています。したがって、ガイドラインに準拠したジェンダー委員会での承認とその証明書が必要です。単なる意見書や診断書では不可です。
関東やその近郊では、

  • ・関東ジェンダー医療協議会(横浜メンタルクリニック戸塚)
  • ・神奈川ジェンダー委員会(ちあきクリニック)
    ・浦安ジェンダー委員会(あべメンタルクリニック)
    ・埼玉医科大学ジェンダー委員会(彩の国みなみのクリニック)
    ・北陸GIDネットワーク(さぶりクリニック)
    などがあります。

    証明書の取得までの流れについてもお問い合わせいただければご案内いたします。

    prs-gender@ks.kyorin-u.ac.jp
     

    2) 健康保険の適用について
    2018年4月より、性同一性障害の外科治療の健康保険の適用が開始されることが決定しましたが、ホルモン製剤が性同一性障害者に対しての適用が認められていないことから、厚生労働省は「当該疾患に対して、性同一性障害とホルモン製剤の投与を一連の治療において実施する場合は、原則、混合診療となる」と発表しました。
    つまり、保険適用外となるホルモン製剤の投与を受けたことのある人は、保険適用の手術をうけることはできない、ということになります。
    したがって、ホルモン製剤投与歴のあるかたは、日本中どこの施設においても、健康保険を適用することはできないため、自費診療となります。
    ・性別適合手術については、ガイドライン上は原則ホルモン治療を行っているかたが対象となりますので、事実上健康保険適応の手術は難しいということになります。
    ・乳房切除術については、まだホルモン治療を行ったことがない方についてはGID学会認定施設においては健康保険の適応となります。当院は未だ認定施設として登録されていないため現時点では自費診療となります。自費でもよいので治療を早く行いたい方は当院で行うことも可能です。

     

    3) 受診から手術予約までの流れ

    受診を希望される場合、 本件専用のお問い合わせ先:prs-gender@ks.kyorin-u.ac.jpへお問い合わせください。
    主治医からの紹介状および適応判定の証明書をご用意ください。

    受診日は担当医に確認ののちご案内いたします。

    初診時は適応判定の証明書確認と手術の概要の説明を行い、ご希望に応じて手術日を決定します。
    術前検査は、手術日からさかのぼって2か月以内に受ける必要があります、術前の麻酔科の診察もあります。手術日と健康状態によっては、初診・術前検査・麻酔科を1日で済ませることも可能です。
    ホルモン治療を行っている方は、手術の2-4週間前に一旦中止して頂きます。

     

    個別の事項
    <<MTFの方へ>>

    1) 費用について
    MTFSRS(性別適合手術)
    陰茎陰嚢皮弁法によるMTFSRSを第一選択としています。
    ・MTFSRS(造膣する場合)治療費 約180万円(個室料金込み、税別)
    ・MTFSRS(造膣しない場合)治療費 約160万円(個室料金込み、税別)
    ※(入院費、手術費すべて含む)、術前検査費3万円(税別)、入院期間 約2週間

     

    2) 現在の予約状況
    杏林大学形成外科は全体として国内有数の症例数がありますので、手術枠も十分に余裕があり、受診日から1か月程度から予約枠が確保できることが多いです。

     

    3) 顔面女性化手術(FFS)について
    FFS(Facial Feminazation Surgery:顔面女性化手術)
    性同一性障害MTFの方が、女性としての社会生活を営みやすいようにすることを目的に顔面を女性的に形成します。
    ・前頭形成  ・下顎形成 ・頬骨形成 ・鼻形成 ・のど仏切除 などをその方の顔面形態に合わせて、適応することで、顔面形態を女性的に形成します。
    FFSについてはジェンダー委員会の承認は不要です。

    自費診療となりますが、ご興味ある方はご相談ください。 prs-gender@ks.kyorin-u.ac.jp

     

    4) その他注意事項
    現在は、MTFSRSはタイ式の陰茎陰嚢皮膚反転法で行っています。膣の深さは陰茎の大きさに影響を受けます。S状結腸造膣法は現在のところ行っておりません。今後、他科との協力を得ながら行っていきたいと考えています。

     

    FTMの方へ》
    1) 取り扱い手術について
    ・GID患者に対する乳房切除術
    乳がんに対する乳房切除とは異なり、男性型胸郭を形成する手術です。上半身はだかになったときに、自然な男性型上半身にみえるようになることをめざします。
    ・ミニペニス形成や陰茎形成は今後対応を検討しています。
    ・FTMSRSについては現時点では対応しておりません、今後、他科の協力も得られるようにしていきたいと考えております。

    2) 費用
    <乳房切除の場合>
    自費診療では、治療費 約90万円(入院費、手術費すべて含む)、術前検査費3万3千円、入院期間 約7-8日間
    乳房切除術については、まだホルモン治療を行ったことがない方についてはGID学会認定施設においては健康保険の適応となります。当院は未だ認定施設として登録されていないため現時点では自費診療となります。自費でもよいので治療を早く行いたい方は当院で行うことも可能です。

    3)  手術の予約状況
    乳房切除の場合、最短で2週間後~となっております。

     

     

     

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