新年のご挨拶
2017年1月7日
七草も過ぎてから、「新年おめでとうございます」もないのですが、遅ればせながら、本年もよろしくお願いいたします。
酉年は「商売繁盛」と昔から言われるそうで、浅草などでは毎年11月に「酉の市」がにぎわいますよね。病院は商売繁盛を願うものではありませんが、赤字になるのは困りますので、しっかりと患者さんの治療にあたりたいと思います。
写真:ホテル・パシフィコ横浜のロビー大柱に飾られた鳥(正面に2羽)の飾りですが、酉年を祝うために掛けられているそうです。結構、迫力があり皆が写真を撮ってましたので、僕もパチリ。
秋の夜はショパン:2
2016年11月28日
秋は時の過ぎるのが早く、あっと言う間に関東地方の紅葉も終わりに近くなり(11月24日は東京で積雪ですものねービックリ)、当家の前の公園の落ち葉も地面を覆い尽くすようになってきました。もっとも、公孫樹の黄色は今が一番きれいですが・・。
1年間があっと言う間に過ぎ、「喪中はがき」が届くようになると、師走も近いと言う気分ですね。僕の歳になると、「喪中はがき」は年々増えていきますが、ほとんどが、母(か義母)、90何歳(時には100歳越えの方も珍しくなくなりました)というもので、いかに女性が長命か良く分かりますね。男性も頑張りましょう!(もっとも、若い人には嫌がられるかもね-笑-)。
普段の秋(特に10月~11月)は、僕にとってはゴルフ・ハイシーズンですが、今秋は雨の日も多く、9月に米国(ロサンゼルス)、11月に韓国(ソウル)での学会講演があり、準備などで落ち着いてゴルフもできませんでしたーもっとも、ゴルフの調子が悪い言い訳にすぎませんが・・。英語の講演は今年で最後にしようと強く思いましたー面倒くさいので。以下、前回の続きです。
さて、ショパンが作曲した楽曲のほとんどがピアノ曲なのは有名ですが、中でも秋の夜にふさわしいのは「ノクターン(夜想曲)では?」と、「素人なり」に思っております(もっとも、音楽や絵画などは、聞いたり、見たりする方からは、単純に好きか嫌いか、自分の感性による価値判断が大きいと思います)。
ショパンが作曲したノクターン(夜想曲)全21曲中、多分、一番よく聞かれるのは作品9-2番(変ホ長調)―ワルツリズムでゆったりと優しい曲―でしょうが、僕が大好きなのは作品37-1番(ト短調)で、もっとも夜想曲というイメージがします。ノクターンのほぼすべてが好きですが、21曲中、強いて5曲を挙げるなら、先の作品37-1の他、作品15-3(ト短調)-ちょっと暗いですが-、作品27-2(変ニ長調)と、遺作のノクターン嬰ハ短調、ハ短調の2作品でしょうか。好きと思ったものを挙げたのですが(好き嫌いは人によりますね)、調性が短調4曲、長調が1曲と短調が多いのは、夜想曲という雰囲気が僕に与える印象なのでしょうかねー残念ながら、僕は音階や調など作曲の複雑な仕組みはわかりませんし、音階を聞きわけるなどの能力もありません<(_ _)>。ショパンが作った2曲だけの交響曲も大好きですが、ともに第1番ホ短調、第2番ヘ短調と短調の曲です。
多分、僕の性格が暗いのでしょうかねー誰に言っても信じてもらえませんが・・。僕が死んだら葬式やお教などはいらない、ノクターン嬰ハ短調(遺作)、と作品37-1をかけて、近親者だけでおくってもらえば良い、と遺言に書いておくと言ったら、縁起でもない!と妻に怒られました((―_―)!!
写真1:韓国形成外科学会50周年の基調講演を終了して:司会のProf. Choより感謝状の贈呈。
写真2:杉並区立大田黒公園の紅葉(2016.11.25.pm8)―昔はマイナーだったのですが、紅葉がきれいで、最近は夜間ライトアップ(今年は12月4日まで、日没から午後8時まで、土日は9時まで)が素晴らしいですよ。特に、風の無い日は池に映る紅葉がきれいです。JP荻窪駅から徒歩で10分くらいですので、散策にもってこいです。帰りは荻窪ラーメンですかね(笑)。11月25日夜行きましたが、少し早いでした。多分、12月初めがお勧めですね。
秋の夜はショパン:1
2016年11月4日
10月は諸事に慌ただしく過ごし、気がついたらすっかり秋らしく、夜は寒いくらいの毎日になってきましたね。現在、11月中旬の韓国での講演準備に追われている毎日です(医局スタッフにもデータ整理やビデオ編集などで、大変お世話になってます<(_ _)>)
ところで、僕の趣味は「ゴルフに読書」&「アマゾンでのお買い物」となっておりますが、大学時代は麻雀一色でしたね。ただ、その中の下宿生活、アパート生活を通して、趣味に音楽鑑賞があります。昭和40年当時の大学生の仲間で、下宿部屋にパイオニアのLP(レコードです)プレーヤーと大型スピーカーを持っていたのは、僕くらいでしたね(貧乏学生が多かった時代ですから)。
大学時代は結構、ジャズ(代表作が”Take Five”のデイブ・ブルーベックカルテットなど)も楽しみましたが、中・高校時代から一貫して聞いていたのはクラシック音楽です。これは、僕の姉が三重県尾鷲市の高校生時代に、自宅の応接間でいつもモーツアルトやベートーベンを聞いており、中学生だった僕も自然にクラシックに馴染んできたからだと思います。
残念ながら才能のかけらもなく、楽器は全く弾けませんので(もっとも、妹は大学のピアノ科だったと思いますが、現在はただのオバーチャンですー怒るかな(^。^))、僕はもっぱら聴くのと、作品と演奏家について、家内にウンチクをたれるのが精々です。譜面の♯や♭の意味も良く分からないのにね((^。^)。
結婚した当初も、借家にステレオ(まだ、LP当時)を置いてましたね。最初はバイオリン曲が好きで、中でも日本人演奏家では国際的にも活躍されていた前橋汀子さんが大好きでした(もっとも、当時は、超美人のおねーさんであったためかも?)。2003年、春、僕が東大を定年退職した際の記念パーティーに来て頂いて、演奏をお願いしたくらいです。
先年、自宅を改装した際に、古いCDプレーヤーなどを捨てて最新のものにしようと、新宿の某有名電気店のCDプレーヤー売り場に行って驚いたのは、彼の有名だった日本大手音響機器メーカーの多くが撤退していたことです。
もともと好きでしたが、最近では殊にショパンをこよなく愛するようになり、家内にまた、ショパン?と馬鹿にされています。秋の夜はショパンのノクターンですよね!ー以下、次に・・・
写真:応接間、兼、僕のオーディオルームです。 Marantz のアンプとCDプレーヤー、 Bowers&Wilkins のスピーカー (クラシック音楽CDセットの一部に「立川志の輔さん」のCDセットー矢印―があるのが、おかしいでしょー笑:落語についてはまたの機会に・・)
米国形成外科学会に参加して
2016年10月26日
今年、9月中旬に久し振り(10年振りかな)に、米国ロサンゼルスで行われた米国形成外科学会(ASPS)に参加してきました。この理由は、中塚貴志日本形成外科学会理事(国際委員長:埼玉医大教授)や細川理事長(大阪大学教授)のご努力で、日本形成外科学会(JSPS)とASPSが協力して世界の形成外科の発展に資する目的でcollaboration systemを作られたこと、そして、今回のロスの学会ではJapan Sessionという特別パネルが組まれたため、名誉会員代表の挨拶と僕のASPSの旧友(すでに大学から引退している人が多い)に会いに行くことでした。しかし、中塚貴志先生の強い要請で20分間もJapan Sessionパネルで講演させられることになりションボリ(ー_ー)!!。英語も使わないと錆びるしね。
これは、90分のパネルでしたが、日本の若手で頑張っている人も多く、講演を聞いて、将来を期待して帰ってきました。特に、最終日の夜に日本人参加者だけ60人ほど集まってdinner partyを行い、日頃、余り接触がない他学の若い形成外科の先生たちとも親交が出来て大変楽しかったひと時でした。 また、ASPSにはJack Maliniacという米国形成外科創始者のお一人の名前を冠した栄誉あるMaliniac Lecture(これには東大時代の僕がアジア地区で最初に行い、約20年後に東大光嶋教授、が行っております)に小生の門下生のお一人である自治医大形成外科吉村浩太郎教授が招かれて講演されました。彼は、脂肪幹細胞、再生医療の専門家で、現在、世界的にもっとも有名な形成外科医でしょう。流石に素晴らしい講演でしたね。
良く言われるように、最近の日本人研究者(特に臨床医学)は外国に留学したがらない傾向にあるようですが、このcollaborationを機会にもっと、積極的に形成外科医の国際学会での発表が多くなると良いな、と思いました。 頑張れ!日本形成外科医です。
写真1:久し振り英語講演する筆者
写真2:Japan Panelに参加された人々(細川理事長、中塚貴志国際委員長、清川兼輔理事、小生とパネリストの先生方)
日常の敬語
2016年10月1日
一般的に、日本人の国語能力、特に日本古来の美徳の一つである「敬語」の使い方がとみに衰えているのは、多くの方々も認めているところでしょう。また、最近ではメールやラインなどIT通信の発達とともに、簡単で面白い造語や絵文字などが次々と作り出され、僕もメールなどで結構使っておりますが、敬語的な表現が省かれることも多いようです。
今年9月中旬に発表された文化庁の「国語に関する世論調査」(5年に一度、行われるらしい)でも、IT通信から発生したと思われる造語(たとえば、「おK:オーケーのことらしい」)などや、妙に丁寧な「さ言葉(行かせます→行かさせます、やらせます→やらさせます)」、逆に省略形の「ら抜き言葉(出られる→出れる、見られた→見れた)」のような使い方が半々近くになっていると書かれておりました。
僕の気になるのは、僕の依頼や通達についての医局員からの返信に多い「了解しました」という文言です。これは、特にメールで依頼したものに対する返事に良く使われておりますが、上司に対する基本的な返事(敬語)は「承知しました」あるいはもっと丁寧な時は「承知いたしました」ですよね(もっとも、この件については、数年前にネットやNHKなどでもビジネス用語としてかなりの論争があったとのことを、当科の物知り博士が教えてくれました)。
(http://blog.hatenablog.com/entry/2014/02/13/154648)
敬語のみだれは、このような日常のものから、新聞、雑誌のようなマスメディアでも、ちょっと??と思うようなことが多くあります。もちろん、馬鹿丁寧な言い回しは不要と思いますが、最近、一番驚いたタイトルは、「文藝春秋10月号」の表紙に赤字で大きく出ていた特集タイトル「皇后は退位に反対した」という表現です。駅で売られるタブロイド紙にはこのような無礼なタイトルは満載ですが、超一流文学雑誌を自認する(であろう)「文藝春秋」だったので、メディアの敬語もここまで落ちたのかと驚くのは、小生の間違いでしょうか?天皇陛下のご退位に関することなので、少なくとも「皇后陛下(略しても皇后様)は御退位に反対された」と書くべきと思うのは、考え過ぎですかね。短く、インパクトのあるタイトルにしたい編集者の気持ちは分からないでもないですが・・。もっとも、この表現に「違和感はない」と答えた医局員も多かったのですが。
写真:文藝春秋10月号の表紙
オリンピックでゴルフ?
2016年8月22日
残暑の中、サルスベリの花が頑張って咲いています。最近は、街路樹にも多く見られるようになっていますね。うちの庭にもありますが、家の前の都立善福寺川公園には諸所に大きな木がありますので、散歩がてらに楽しんでおります(写真)。
この暑いさなか、高校野球も大変ですが、オリンピックとかちあう年はそちらが盛り上がりますので、少し気の毒な気がします。ところで、オリンピックですが、開始前にはイロイロ言われたリオ五輪ですが、始まってみるとつい興奮する競技が多いので、テレビを見て夜更かしする人も多いことでしょう。もちろん、見る人により好みの競技は違うと思いますが、基本的には、ボルトで代表される迫力のある短距離走、スリルと感動のある体操、水泳などが話題となっていますね。また、僕たちは日本が勝てる可能性がある競技(柔道、レスリングなど)には、つい、テレビにしがみつきますよね。多分、世界中同じと思いますが・・・。
(閑話休題)
僕はゴルフが大好きなので、ゴルフ放映を探してみておりましたが、オリンピックにはあまり向いていない種目だと思います。理由は、1日の競技時間が長い、決着まで4日間もかかるし、盛り上がるのは多分、最終日(4日目)の後半9ホール位なのでスリルが少ない、観客(ゴルフはギャラリーと言います)も広い場所に散らばるので応援の声も少なくなる、などということです。これらは、あくまで今回初めてオリンピックでのゴルフを見た小生の私見にすぎませんし、国を背負って戦っている選手には申し訳ありませんが、国を代表すると言うよりは、応援のし難さなどでもゴルフは「個人の競技」と言う気がします。次の東京では、僕の所属する霞が関カンツリークラブが栄えある開催地になっておりますので、会員がこのような事を言うのはクラブで怒られるかもしれませんが、ゴルフを見て感動するのはマスターズほか4大競技くらいですかね。それも、最終日でしょう。
今年の東京は蒸し暑い日はありますが、関西以西の気温よりは低い日が多いので、ゴルフも例年よりは楽にできております。また、ツクツクボウシも例年よりかなり早くから鳴き出し、通常は暑さが厳しい埼玉県あたりのゴルフ場にも秋アカネが群れをなして飛んでいますので、残暑はあっても秋が早いかと期待しています(もっとも、ビアガーデンなどは、暑さがぶり返すのを期待しているでしょうが―笑―)。
写真:都立善福寺川のサルスベリの花
古巣を訪ねる
2016年7月25日
人は歳をとると自分の故郷に帰りたがることが多いようですね。
僕は兵庫県西宮市の生まれですが、父の勤務(外科医)の関係で、小学5年まで三重県長島町に住み、小学6年の初めに父の勤務する病院のある尾鷲市に転居し、尾鷲小学校を卒業しました。その後、僕は、中学2年の1年間だけ尾鷲市で父母と暮らしただけで、大阪豊中市立第4中学、尾鷲中学を1年づつ、最後に東京杉並区立宮前中学を卒業し、都立西高、東大を卒業して医師になりました。結局、生まれは兵庫県ですが、一番長く過ごしたのは東京(約60年)なので、故郷と言うと東京ですかね。でも、幼少時を過ごした三重県(長島町、尾鷲市)が懐かしいですね。
ところで、医師になった僕は、初期研修の2年は別にして、東京警察病院で8年間形成外科を学び、37歳の時に東大病院の形成外科助教授(現在の准教授)に招かれて、教授で退官するまで約25年間は上野地区で勤務しておりました。先日、食事の帰りに夜の上野公園を散歩したところ、不忍池が綺麗になっており、周辺のビルの光の中に東大病院(僕が辞める1年前に新しい入院棟が完成)の明かりがとても綺麗で、久し振りに古巣に帰った気がしました。
ただ、上野公園と不忍池の弁天堂付近は外人だらけで、僕が東大に務めていた時に大勢寝ていたホームレスの人達は誰もいなくなっていましたね。僕の感覚は、「不忍池=臭い&ホームレス」でしたが、まったく、様変わりしているのに驚きました。蓮池もきれいでしたし・・・。もっとも、上野が故郷と言うわけではありませんが、古巣ですね。
写真1:不忍池のハス池(蓮の花は夜は寝るみたいで、つぼんでましたが、葉はみごとでした)
写真2:不忍池から見た東大病院の夜景
梅雨の晴れ間
2016年6月26日
今年の梅雨は九州地区に大雨を降らせており、地震被害の熊本・大分地方の方々も大変なことです。逆に関東の方は利根川上流に雨が少なく久方ぶりに東京の水不足が心配されておりますね。降れば大変、降らねば大変と、なんでも丁度良いと言うのは難しいものですね。手術もそうです!
さて、梅雨の花と言えば「紫陽花」ですが、花の色は土の酸性度によって変わるので「七変化」とも呼ばれるそうです。ネットでの勉強ですが、薄紫のアジサイ色はアントシアニン系色素が土壌に含まれるアルミニウムと反応して出るそうです。アントシアニン自体はブルーベリーやカシスなどに多く含まれる紫色のポリフェノール系色素で、抗酸化作用があり「目の働きをよくする」サプリとしてもよく広告されてますね。ただ、アントシアニンが含まれているからと言って、紫陽花を食べるのは非常に危険で、毒性の本体ははっきりしないらしいのですが(青酸配合体が含まれている?とも言われる)、料理に添えられた葉を食べて、嘔吐、めまい症状が激しくでたことがあったそうで、葉や茎は食べてはいけないと言われております(花は?-書いてありませんでした)。
手毬状のホンアジサイは、色も薄紫から薄赤・ピンク系と派手ではなく、いかにも日本の花(もっとも、日本原種はガクアジサイだそうです)という感じがします-しかし、あの大きな花が嫌いと言う女性もいますよね。人それぞれでしょう。花言葉も多いのですが、「移り気」「浮気」など色が変化するためにつけられたのか気の毒なものもありますね。
今年から、僕が気に言っているのは、家の前の公園でところどころに咲いている「まっしろなアジサイ(北米原産のアナベル種)」です。確か、昨年は無かったので今年から植栽されたものでしょう。結構、インパクトがあり写真に撮ってしまいました(ちなみに、ネットには相模原北公園に群生している写真がありました)。忙しくて、相模原まで行けない方は、梅雨の晴れ間の公園に咲く白いアジサイの写真をお楽しみください。白いものは、紫陽花と書くよりは「アジサイ」ですよね。
写真:梅雨の晴れ間の公園に咲く「白いアジサイ」
思いこみ
2016年6月6日
僕は若い頃から約40年以上他人の論文を読んだり、自分でも論文や著書を書いたりしてきましので、英文(もちろん、最後はnativeの校閲は受けますが・・)も含めて論文作成や校閲には自信がありました。特に、日本語論文であれば、ちょっと見るだけで、誤字・脱字および文章構成上の誤りを見つけてしまいます。
子供のころから本が好きで、東大は単に「生物が好き」と言う理由だけで理科系(当時の理科II類―医、薬、農水学部)を受験ましたが、国語(現国、古文、漢文?がありました)と英語で合格したようなものでしたね(笑)。医学部の教授になってからは、部下の論文の校閲や編集する雑誌に投稿される論文の査読(英語ではreviewと言い、自分が編集委員や編集長を務める雑誌へ投稿された論文を読み、採択の可否や訂正を他の編集委員らと討議判定する仕事)が、長年、手術に次いで大事な仕事(ほとんど、趣味?)でした。
さて、本題の「思いこみ」ですが、このような僕でも文章や用語の「思い込み」と言う間違いをおかします。特に、昨年4月に「マイクロサージャリーの基本手技」という専門書を出版したのは既に書きましたが、このような400ページ近い本ですと、編集者とも何度も校閲したにもかかわらず何ヵ所かの小さな間違いがあるものです。この本でもすでにケアレスミスの誤字が見つかってはいましたが、最近、「思い込み」による解剖学用語(血管名)の間違いを発見!!ショックでした(―_―)!!
もっとも、この用語は僕が若い時から手術時や論文作成時にもそのように使っていたのに、だれも指摘してくれなかったので、「思いこみ」が正しいと思っていたのですね。
このような「思い込み」は誰にでもあるもので、良く使われる「汚名挽回」という言葉では、「汚名返上」が正しく、「名誉返上」ではなく「名誉挽回」ですね。かって、僕のお弟子さんで現在形成外科学会のリーダーの教授の一人になっておられる方が、若い時に「得策(とくさく)」をいつも「えさく」というので、それを指摘したら、むきになって「学校で習った」と言い張ったのですが、結局、小さいときからの「思い込み」だったようです(笑)。当時、北島三郎さんの「与作(よさくー、よさくー♪)」という歌もあったので、しばらく、陰で「えさく」君と呼んでいましたが、当人はいつの間にか「とくさく」と言うようになりました。まあ、思い込みは誰にでもあるものですね(自己弁護です)。
僕の好きなツツジの花もそろそろ終わり、いよいよ梅雨に入りますね。大雨にならないと良いのですが、これも「天」が決めることですから仕方のないことかもしれません。「天が梅雨には大雨を降らせる」と思い込まなければよいのですが・・・。
写真:まだまだ、新緑の中で満開のツツジもあります(5月29日、狭山ゴルフクラブで撮影)。ツツジは種類が多いので長く楽しめる花木なので大好きです。
小満(しょうまん)
2016年5月25日
立夏が終わり、5月20日からは小満に入ったそうです。
小生は寡聞にして、「小満(しょうまん)」と言う言葉を知らなかったのですが、「立夏」は夏の入りで草木が芽吹きはじめる時、「小満」は陽気がさらに良くなり、草木などが成長し生い茂る季節の始まりを意味するそうです。
丁度、この時期、金沢で行われた日韓形成外科学会に出席したついでに、新しい北陸新幹線で黒部・宇奈月温泉駅に下車、さらに富山地方鉄道の新黒部駅から30分ほど行った宇奈月温泉で一泊、翌日トロッコ電車に乗り終点の欅平まで観光してきました(写真1)。残念ながら黒部ダムまでは行けなかったのですが、吉村昭氏の名著「高熱隧道」に思いをはせながら渓谷美を楽しみました(写真2)。また、あまり有名ではないようですが、宇奈月温泉にある小さいながら綺麗に作られた公園(宇奈月公園)に昭和天皇の句碑があったのには驚きました。多分、第二次大戦前後から日本の電力開発が急務となり、多大の犠牲(死者)を出しながら黒部ダムの建設が行われた記念かな?と思います(写真3)。
ところで、日韓形成外科学会は2年に一度、日本と韓国で交互に行われる学術集会で、すでに25年以上も行われてきました(今年が第13回学会)。もちろん学術集会ですが、創立時から両国形成外科医の親睦会の気分が強く、今回の会長さん(金沢医大形成外科学教授川上重彦先生)も、学術集会の合間にゴルフトーナメント、フットサル、立山観光(雪の壁)など盛りだくさんのエンターテイメントを企画してくれました。特に過去10年くらい、政治的には非常にギクシャクしている日韓両国ですが、医師(この場合は形成外科医)の交流はなごやかなもので、このような民間交流の場では「嫌韓、嫌日」は全くなく、お互いに忌憚のない意見交換ができて良いと思います。ちなみに、韓国形成外科学会は今秋で創立50周年(日本形成外科学会は来年で60周年です)を迎えるそうで、小生も基調講演に招待されております。
写真1:黒部渓谷にかかる橋を渡るトロッコ電車(宇奈月駅付近の展望台より)
写真2:欅平駅から少し歩いた奥鐘橋から見た黒部渓谷
写真3:宇奈月公園にあった昭和天皇の句碑(読めませんでしたので、並列されていた入江昭和天皇侍従長の謹書より判読できました。なお、ここには、与謝野鉄幹・晶子夫妻らの歌碑もありました。)
(謹書)入江相政侍従長:くれなゐにそ免(め)はじめ多留(たる)や万(ま)あひ越(を)那可(なが)るる水のきよくもる可那(かな)
(口語)紅に染め始めたる山あいを 流るる水の清くもあるかな
新年度の始まりです。
2016年4月25日
ご存じと思いますが、大学病院も普通の大学と同じように4月より新年度が始まります。
杏林大学形成外科も新しいレジデント(卒後2年の臨床研修を終わって、4年間の形成外科専門研修医師)が5名ほどやってきてくれました。当然、レジデント修了者は学会の専門医試験を受けて形成外科の専門医になりますが、来年からは専門医機構の承認が必要になります。また、専門医の更新も5年に1度が必須となり、そのためには学会の講習を必要な単位受講することが義務づけられます。この講習を受けるのが結構大変で、開業医の先生方には大きな負担になると思います(遠方の学会などではクリニックを休んででも出席する必要もあるためです)。大変です!
上記の専門医の講習会などもたくさん行われる日本形成外科学会総会は、今年は4月13日から15日に、福岡(博多)で開催されましたが、このとき、熊本の大地震があり妻もヒヤヒヤしました。熊本から博多までは結構距離があるためか、博多では三陸沖地震の東京のような大きな揺れはありませんでした。ただ、当科にも熊本に実家のある人もあり、被災された方々には大変お気の毒なことです。
たまたまこの時、40年以上フランスに在住している姉が帰国しておりました。フランスでの地震への反応は、「日本人は沈着冷静な国民だね。フランス人なら、多分こんなときは完全にパニックになってフランス国内が大混乱になると思うよ」といわれました。放映されたテレビなどの報道では、(地震のあった九州地区だけでなく)日本全体が揺れて壊れているという感じだそうです。外国人観光客もしばらくは減りますよね。われわれが、テロのあったパリにしばらく行かないのと同じでしょう。
台湾の専門家が22日?に日本全体に大地震がくると予測したとか、昔から天災は忘れたころにやってくるといいますが、地震予知が当ったためしがありませんね。そうこうしているうち、東京の桜は八重桜になり、小生の大好きなハナミズキ、つつじが満開になっています。日本列島は長い島だとつくづく思います(写真2)。今年度も頑張りますので、よろしく!
写真1:杏林大学のそばの仙川沿いにある小さな公園(仙川公園)の「平和祈念像」とハナミズキ。この公園の桜もきれいです。ちなみに、この像は長崎平和公園にある有名な平和祈念像の作者北村西望氏の作だそうです(北村氏が三鷹市にゆかりがあり作られたそうですが、長崎のものよりかなり小ぶりです)
写真2:小生の家のそばにある豪邸(残念ながら小生の家ではありません)の見事に刈り込まれた綺麗なツツジの写真です。
外科医を育てる
2016年3月24日
太平洋戦争時に海軍を率いた有名な山本五十六元帥・海軍大将は、いくつかの名言(格言)を残しておられます。中でも有名なものに、「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」という言葉があり、しばしば、企業経営などで上司が部下を育てる際の心得として、今でもよく使われているようです。先日の日経新聞夕刊のコラムにも、朝田丸紅会長が「若気の至りを応援する」という題で、この格言を引用し、「企業での人材の強化において、人を育てるには仕事を任さなければならない」と書いておられました。
外科医の教育も同様で、まず、先輩(熟練者)が何度も手術をやって見せて、次にやらせてみて、機会を見て「うまくなったね」とほめてやらないと、良い外科医は育たないものです。しかし、一番難しいのは、この「やらせてみて」のところであり、相手は患者さんですので、「若気(未熟)の至り」での失敗は許されません。一方、名医(マスコミはgod handと使いたがりますが・・?)と言われる人でも、一人の外科医が行える手術数には限りがあるし、特に大学病院などにおいては優秀な後進を育てることも重要なことです。
昨今、国公立の大病院での外科手術ミスが大きくマスコミをにぎわわせております。内視鏡などの新しい手術などを「やらせてみる」のは必要な事ですが、まず、「やらせる」側の熟練度が一番重要だと思います。すなわち、「やらせてみて」予定どおりにできない場合の対処として、やらせる側が十分自信を持ってバックアップ体制を整えている必要があります。
3月も半ばになり、4月より新人の入局が始まります。「やってみせる」のは簡単ですが、「やらせてみる」で常に悩むのは外科教授(あるいは上司)の宿命ですよね。
写真:小生の所属する狭山ゴルフ倶楽部の早咲きの桜です (東京の桜も後少しで楽しめますね)
ヨメブロック
2016年2月22日
2月16日日経新聞夕刊のコラムに前厚労事務次官村木氏が書いておられた、ヨメブロックという言葉は、小生にとっても大変新鮮、かつ、なるほどな!と思える造語でした。われわれ医師は業種がかなり特殊ですが、それでも、関連病院への医師の派遣・転勤、教授の人事など医局員のローテーションの際、「まず、ヨメ(最近の人は妻やワイフと言わず、ヨメといいますよね)の意見を聞かないと・・」と言われることがあります。
これは、特に子供さんが中学受験あたりの世代になると、かなり深刻になるようです。地方大学の教授の籍が空いたので、推薦しようとしたら子供の進学があるので東京から離れたくない、教授なんかより開業してお金を稼ぎなさい、というヨメブロックにあう話も珍しくありません。教授ならどこでも、という人も多いのですが、優秀な人に限ってヨメブロックにあうことがあり、がっかりしますね。一方、ブロックにあった本人の方も「ヨメに反対されたので、すみません」とあっさりしたものです。
しかし、我が家の隣に住んでいる孫たちのお受験をみていると、小生の世代が中学の時、野や山でさんざん遊んでいた頃と、雲泥の差がありますねー子供たちも気の毒ですし、「ヨメさん」が必死になるのも分かります。学園紛争を経た直後のわれわれの世代では、ヨメブロックにあうこともなく、好き勝手にやってきたのですが・・・もっとも、後期高齢者になって”ヨメリード”になるとは情けなし
<m(__)m>。
何がよいのか、人生不惑とはいきませんね。
散歩の発見
2016年2月10日
立春も過ぎ、梅の開花も直近になって春も近付いてきましたね。 ところで、小生、3年ほど前から高齢者に多い逆流性食道炎(通常、【逆食(ぎゃくしょく)】と言われます)で、食欲が無く、体重も3Kgほど減りました。学会などで挨拶しても、皆さんが『どうされましたか?』とよく訊かれてきました(内心は「胃癌かしら?」と思われたのかも)。これが昨夏より逆食が良くなったため、食用増進、あっという間に体重が3Kgどころか5Kg増になり、この正月を過ぎると、狭くしたズボンベルトがパンパンになってしまいました。
これはいかんと思い、一念発起して、夜寝る前に家の前の善福寺川公園を一時間ほど歩いてます(多分、三日坊主か―笑)。この公園は東京都の管理で和田堀公園まで4kmほどのよく手入れされた公園で、最近では桜の名所として訪れる人も多くなっております。また、早朝より驚くほど多くの老若男女がランニングしております。流石に、夜10時を過ぎるとランニングする人も多くは無いのですが(それでも結構多くの人達が走ってますね)、歩くのに慣れてくると結構快適にはなってきております。これが、ゴルフに役立つと良いのですが・・・。
夜の公園は川や池でカモが結構泳いでいたり(鳥目なのに飛んだりしてます-多分、夜間照明が明るくて目が見えるのでしょうね)、なによりも、きれいなトイレが多いので驚き、都税を納めても腹が立たなくなりましたね(笑)。
写真上:ライトアップしたみたいな公衆トイレです。 きれいですね。
写真右:2月2日の夜にみつけた、満開の梅?(多分、梅だと思うのですが、木の方向が縦に高すぎるので、違ってたらごめん
<(_ _)>。花そのものは梅でしたが・・・
インフルエンザワクチンはどこに注射する?
2016年1月25日
厚労省が平成26年10月1日付けで高齢者(65歳以上)向け肺炎球菌ワクチンの定期接種(5年に一度)の一部公費負担を始めたので、多くの方たちが23価ワクチンの予防接種受けております。先日、僕の妻も上腕に接種を受けてきたのですが、数日間腫れて腕が痛くて上がらないとブーブー言ってました。
ところで、毎年打つインフルエンザワクチンも皮下注射(注射は深さなどにより、皮内、皮下、筋肉、血管内に分かれますが、ワクチンはBCG以外ほとんどが皮下注射か筋肉内注射で、ワクチンの種類で異なります)で、抗体反応のため注射部位が赤く腫れて痛くなることが多いですね。
一方、ワクチンの皮下注射は、ほとんどが上腕外側に打つのが常識ですが、なぜでしょうね?これ以外に上腕内側、大腿部と書いてあることもあるようですが、医師もほとんど機械的に上腕外側の皮下脂肪内に打つようです。多分、簡単に露出できるのでここに打つのでしょうが、この部位は、皮膚が張っていて、脂肪組織にも余裕が少ないため、接種部位の発赤、腫れ、痛みが強くなり、数日間、上腕の動きが少し不自由になる可能性があります。
僕は毎年のインフルエンザワクチン注射は、腹部外側でベルトの当らない場所に打ってもらうのですが、まったく痛くありません。今回、はじめて肺炎球菌ワクチンを打ったのですが、妻の例を見ていたので当然、お腹にたっぷりある皮下脂肪内に打ってもらいました。若い看護師さんは恥ずかしいと笑うのですが、接種後、赤くなり少し腫れましたがまったく痛くありません。
高齢者の方々!いまさらおなかを少し出すのは(しかもほんの少しの部分です)、女性でもあまり恥ずかしくないでしょうから、医師にお願いしてみたら良いと思います。ちなみに、注射後に風呂に入るのは全然問題ありません。
写真:接種後2日目、赤く腫れて痛そうですが、少し痒いだけです。
新年のご挨拶
2016年1月5日
明けましておめでとうございます。今年は申年でTVなどではサルが大活躍ですが、「さるかに合戦」のサルの相手のカニの写真をご覧ください。 年末に北海道の友人が送ってくださった立派なタラバ蟹で、おいしくいただきました(<(_ _)>)。
このカニは多分、「さるかに合戦」のカニではないと思います。タラバ蟹はおむすびを持ちませんものね。
今年もよろしくお願いいたします。
さざんか梅雨(さざんか つゆ)
2015年12月2日
♪垣根の垣根の曲がり角、たき火だ、たき火だ落ち葉焚き・・♪という童謡・唱歌「たき火」を知っている若い人は少ないと思います(もっとも、大川栄策さんの「さざんかの宿」は、カラオケで歌われているようですが・・)。 この童謡の2番の歌詞は「さざんか、さざんか咲いた道、・・」ですが、先日、テレビの天気予報で「さざんか梅雨」といっていました。これは、11月下旬から12月上旬にかけての連続した冷たい雨(山茶花の咲くころに降る雨)のことで、秋と冬の季節の境にあたるということを初めて知りました。
そういえば11月初め頃より、ゴルフ場や近所の垣根に山茶花が満開になっていますね。山茶花の垣根は高速道路の中央帯などにもあるので、きっと丈夫な木なのでしょうね。わが家の庭にも赤とピンクの山茶花があります(右写真:上下)。僕はずっと、寒椿と思ってましたが・・・(椿と山茶花は、同じツバキ科ツバキ属らしいのですが、花姿と散り方が違うのですね)。
実は、うちの庭の山茶花が咲き始めると、福井県で整形外科・形成外科クリニックを長年開業して繁盛している、小生のマイクロサージャリーの古いお弟子さん(この方の御子息も小生のもとで学んだ形成外科専門医で福井に帰っています)が、毎年、この時期に福井で取れ取れの「越前がに(雄のずわい蟹)」を送って下さいます。先日、今年も見事なものが送られてきました。 うちでは、この「越前がに」が送られてくると師走が近い!そろそろ年賀状の印刷をしなければ、と思っています。さざんか梅雨ならぬ「かに師走=年賀状印刷」ですね。お礼にメールして、「いつまでも元気で頑張って蟹送ってね!」と書いたら、「先生こそ元気で頑張ってください」とエールを送られてしまいました(トホホ・・頑張ります)。歳をとると1年が早いですね。
写真右上:うちの庭の山茶花です(今年はちょっと花が少ないようです)
写真下:送って頂いた越前ガニ(おいしかったです!(^-^))
そうだ。京都に行こう!
2015年11月19日
毎年、この時期になると放映される、有名なJRのコマーシャルに誘われて、先週末、学会の帰りに妻と京都に紅葉を愛でに行ってきました。 残念ながら温暖化のためか、全体的には2週間ほど紅葉が遅れているそうです。 それでも、永観堂など一部では大変美しいところがありましたが、案の定、東福寺など有名な観光場所では、中国群団が席巻しておりました。
石川五右衛門の「絶景かな、絶景かな」で有名な、南禅寺の三門(山門とは言わないようです)の楼上にも上ったのですが、約20mの高さだとかで階段が狭くて急だったので、高齢夫婦には結構きついものでした。 楼上からの眺めはさておき、降りるのは怖かったのでゆっくり降りようとしていたところ、ここでも中国群団らしき人々が、がやがやと降りようとしているのに遭遇しました。 階段がやたらに狭くて急で危ないので、先に彼らが降りるのを譲って脇に寄っていたら、なんと!彼らがの方が脇によけて(小生を)先に行くように譲ってくれたのには驚きました。
実は、先年ジュネーブで買い物していた時に、中国人観光団に押しのけられて、買おうと思っていたものを、先に”全部”買われてしまったという悪い記憶があり、また、基本的には自分の行きたいところを譲らない人種と思っていたので、ちょっと悪名の高い中国人観光客を見直しました。
この一件を帰りのタクシーの運転手氏にしたところ、「それは台湾のグループですよ」といわれて納得 ((^。^))。
写真1(上):紅葉の始まっている永観堂
写真2(下):南禅寺の三門
秋深し・・
2015年10月29日
「秋深き隣は何をする人ぞ」という有名な芭蕉の句がありますが、あっというまに紅葉まっ盛りのシーズンも近いですね。今年は、東北、北海道は10日以上も雪が早いそうで、先週(10月20日頃)、僕の妹夫婦が有名な青森県の八甲田山ロープウェイで紅葉狩りに行ったら、すでに一面の雪だったそうです(ちなみに、ここは今年の5月連休明けに行ったのですが、まだ雪が結構残ってましたー写真)。いかにも、「八甲田山、雪の行軍」で名高い雪深いところですね。
流石に東京はまだまだ紅葉には早いですね。うちの庭に毎年、春と秋に花をつける二期咲きのバラがあるのですが、今年はその一輪が大変立派で楽しめました。しかし、それもそろそろションボリしてきました。約1か月以上、元気が良く、玄関際に咲いていたので、朝出勤して行く時に「おはよう」と声をかけてくれそうに見事な一輪でした(写真2)。
僕たちの年齢になると1年があっという間に過ぎていきますが、まだ、現役で元気に働けるのは有り難いことと思っております。明日は、高校(僕は杉並区にある都立西高校の卒業です)同期のゴルフ会に初めて出席するのですが、考えてみると50数年会ったこともない同級生も多いので、ちょっと怖い気がしています。
写真1(上): 5月中旬でも雪が残る八甲田山(ロープウェイより)
写真2(下):秋咲きの庭のバラー大きくて元気いっぱいでした
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
2015年9月8日
先週末に第3回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会で札幌に行ってきました。この学会は、3年前に設立された新しい学会で、主に乳癌切除に伴う乳房の欠損や変形をできるだけ少なくするため、乳腺外科医と形成外科医が協力して治療の開発にあたることを目的としております。
一般の方には難しい名前ですが、オンコプラスティックサージャリーの「オンコ」は腫瘍学(オンコロジー:oncology)の意味で、「プラスティックサージャリー」は形成外科という意味です。乳癌の切除に伴う乳房の欠損は、女性にとって大きな精神的負担になるため、乳腺外科医と形成外科医が協力して、できるだけ乳房の術後変形を少なくすることが大切です。このため、形成外科では、自分の体の一部から皮弁などの自家組織移植(⇒乳がん術後再建術のページへ)を行う方法が主流でしたが、健康な部分に傷が残るのは避けられませんでした。これに対して、2012年9月に米国アラガン社製のシリコン製乳房インプラント(乳房プロテーゼ、人工乳房とも言われます)が日本でも薬事承認され、侵襲の少ない方法として急速に発展してきております。もちろん、この方法にも感染やカプセル拘縮など人工物埋入に対する危険性は避けられず、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会主催の講習を受けた専門医のいる認定施設での使用においてのみ、健康保険の給付が受けられることになっております。そのためか、この学会は急速に大きくなり会員は創立3年目で2000人近くになっています。僕はまだ2名しかいない名誉会員の一人ですが、本学会が成長していくのが楽しみです。
ちなみに、今回の学会の会長 山本有平教授の北海道大学形成外科が創設50周年を迎えたため、学会終了後に盛大な記念式典が行われ、翌日のゴルフコンペにも参加して、初秋の北海道を楽しんできました。(成績は公表せず (-_-)/)
帰宅したら家の庭のサルスベリは、まだ、夏の名残り残しており、東京はまだまだ残暑ですね。
写真上: 初秋の札幌ゴルフ倶楽部-いかにも広い北海道の秋の始まりでした。
写真下:残暑でも頑張る百日紅(サルスベリ)の花
残暑お見舞い
2015年8月12日
ありきたりですが、残暑お見舞い申し上げます。
連日、報道されているように今年はことのほか猛暑とのこと(ここ数年、毎年同じことがいわれているような気がしますが)、ほんとに暑くて体がついていきません・・・。
外回りや、宅配便の配達の方には頭が下がります。
ところで、先週夏休みをとり八ヶ岳高原でゴルフでした(_(._.)_)。
さすが、標高1500m程度になると高原の風は天国気分でしたね。残暑の暑さにもめげず働いている方に、せめて、高原の気分でも写真でお届けします。
処暑までもう一息です、頑張りましょう。
入道雲に秋の雲(高原はすでに秋模様? アキアカネも飛んでました)
日本創傷外科学会
2015年7月25日
まったく暑いですねー。 (・_・;)
7月24日(金曜日)から行われている、第7回日本創傷外科学会(会長:中塚貴志 埼玉医大形成外科教授 ― ちなみに、小生のお弟子さんの一人です)に出席しました。 今日(7月25日・土曜日)は、地方より出席頂いている旧知の(名誉)教授方を、僕がメンバーのゴルフコースにお誘いしたのですが、僕はあまりの暑さにダウンして半分でリタイアしました。風がまったくなく、晴れていたので、芝生の上は40度以上だったと思います。情けなかったのですが、無理してコースで倒れたのでは医師としても恥ですので・・・。ほうほうの体で帰ってきて、冷水のシャワーを浴びてやっと一息、この日記を書く元気が出てきました。
さて、この学会の第1回(創立大会)は僕が会長を務めました。その時は、急に学会を立ち上げたため参加者も300名余とあまり多くなかったのですが、7年後の今回、なんと会員総数1,300名、学会参加者755名の大きな学会に育ちました。皆さん、熱心に討論されており大変うれしく思いました。
創傷は、一般的には「怪我のキズ」と思われますが、いわゆる褥瘡や糖尿病による壊疽など全身疾患による難治性創傷も多く含まれます。昔は怪我をしたら「外科」に行くものでしたが、最近のように臓器別に専門医が作られますと、大学や大病院では外科は内視鏡手術など先端的な手術法の習得に忙しく、なかなか、キズのようなものは診てもらえません。また。「キズ」も治療によっては一生残る醜い傷痕を残したり、なかなか治らないで医者通いが続くものも結構多くあります。馬鹿になりませんね。
7年前にわれわれが創立した日本創傷外科学会の目的は、「キズ治療のスペシャリスト」としての形成外科医の育成です。臨床の第一線でもっとも多く遭遇するあらゆるキズを「より早く、きれいに」治す形成外科医が、どんどん増えることを期待してます。
名古屋に行ってきました
2016年6月22日
第41回日本熱傷学会で名古屋に行ってきました。会長の横尾教授(愛知医大形成外科)のお誘いでおいしい和食の料理屋さんに行ってきました。名古屋と言えば、鶏料理、味噌鍋、味噌うどんが名物ですが、名古屋の和食も粋なものでした。特に、季節に先駆けた「はも」料理も珍しく、久しぶりに、形成外科の名誉教授と現教授の懇親会となり楽しかったです。
ちなみに、この10年の名古屋市の発展は著しく、駅前のビルの新装や高速道路の完備には目を見張るものがあります。日本の中央にある大都市としてますます発展すると良いですね。サミットも近くの伊勢志摩で行われますし・・。
(はも刺身:森口川崎医大名誉教授撮影-京都では、はもはガラス皿で盛りつけることが多いようですが、さすが名古屋は赤皿でした。)
梅雨入りですね
2015年6月11日
東京の4月から6月の季節は、素晴らしい桜、新緑とつつじ、入梅とあじさい、と慌ただしく過ぎていきます。今年は風薫る5月が意外に暑く、スカッと爽やかな日が少なかったですね。
また、新入社員の方々も研修にてんてこ舞いでしょう。医師の方も、卒業後の初期研修、後期研修と専門医になるための数年間のハードな研修が始まる時期で、「新緑の5月」なんて気分でもない新人も多いと思います。
代わりにとは変ですが(笑)、5月の下旬に十和田湖・奥入瀬川を散策してきましたので、「まさに風薫る新緑の奥入瀬川」の写真をお届けします。奥入瀬川は紅葉がつとに有名ですが、新緑も格別でした。医局員諸君、休んですみませんでした(<(_ _)>)。
身体髪膚、これ父母に受く、・・
2015年6月4日
「身体髪膚、これ父母に受く、あえて毀傷せざるは孝の始めなり・・・」は孝経にある孔子の教えとして有名な言葉です。身体髪膚(しんたいはっぷ)は難しい言葉ですが、からだ全体という言葉で、「父母からもらった体に傷を付けない様にするのが親孝行の始めである」ということだそうです。
古くから、日本でも美容外科に反対する人達は、この言葉を持ち出すことが多いのですが、5月14日付けの日経新聞に「中国で美容整形市場拡大:就活で有利に、若者走る」という面白い記事が出てました。この記事によると、2010年ころから中国では美容整形市場に企業が参入し、現在1000社以上にのぼり、14年には中国の美容整形手術は世界全体の14%、第3位、市場規模が10兆円にせまるそうです。ちなみに、日本では(小泉内閣時に作られた)特区のような特殊な場合を除き、企業が直接クリニックや病院を経営するのは認められておりません。また、この新聞で「美容整形外科」と書いているのは、日本では「美容外科」が正式な標榜診療名となります。中国ではもともと美容整形にはとても抵抗感が強かったらしいのですが、これは先の孔子の教えとつながるのかもしれません。時代が変わったのでしょう。
しかし、小生の知る限りでは、10年以上も前から中国では美容整形はごく当たり前になっており、韓国はもとよりフィリッピンやタイ、シンガポールなどアジア諸国でも、美容整形(美容外科)にはあまり抵抗感はなかったように思います。これらに、まったく対照的であった(ある)のが日本人で、「美容外科を受けたいが恥ずかしい」「人に知られたくない(たとえ、や家族やご主人にでも)」という意識がいまでも強いように思います。実際、外来に来られて、ご主人の旅行中に脂肪吸引をしたい、豊胸術をしたい、など言われる時もあります。美容外科の術後に「腫れない」「回復が早い」「簡単」などの広告宣伝がまかりとおる理由ではないのでしょうか。術後に、腫れない手術はないのにね(笑)。
この新聞記事で面白かったのは、最後に「信用ならない中国受ける整形手術は嫌だという理由で韓国に整形旅行に行く中国人は年間数万人にのぼり、毎年その数も増えている」と書いてあったことです。確かに、韓国は美容整形大国ですが、あやしい施術(手術や注入物)がいまでも横行しているようなので、日本人は気を付けましょうね。
脱毛レーザーのはなし
2015年5月22日
5月11日付けの新聞社会面に大きく出ておりましたが、大阪の某美容外科クリニックで医師免許のない者が、脱毛と刺青除去のレーザー治療をしており、医師法違反に問われました。
脱毛レーザーは約15年前にも、美容院やエステサロンで用いられてヤケドなどの皮膚被害が多発し、大きな問題になりました。理由は、レーザーの出力と皮膚障害にあります。より大きな脱毛効果を得るには大きな出力のレーザーが使われます。一方、このタイプのレーザー(主にアレキサンドライトレーザー)は、一時的にしても正常な皮膚に熱反応を起こすため、施行後の適切な皮膚管理が必要になります。そのため、エステサロンなどで皮膚のヤケドや脱色(白斑)などを起こした事例も多く、2001年に厚労省が「レーザー脱毛は医師法違反」の通達を出しました。しかし、エステサロンでのレーザー脱毛事件は後を絶たず、何年かに一度は医師法違反で検挙されております。
今回は、美容外科クリニックという医院で行われており、医師資格を持たない医療従事者(看護師)が医師のいない分院クリニックで施術したとされており、エステサロンの脱毛とは異なる状況ではありますが、医師のいないクリニックは医院ではないという当然の結果でしょう。しかし、同様の事件はすでに15年以上も前にも起こっており、あるクリニックで忙しい院長が他の診療をしている間に看護師さんにレーザー脱毛を行わせていた事例です。今回のように医師がまったく不在の状況とはやや異なりますが、それでも医師法違反になりました。
美容院やエステサロンの業界団体は、一定以下の出力のレーザーを使うように指導したようですが、それでも医師法違反の事例は後を絶ちません。脱毛を希望する方々は、安さを売り物にしているエステサロンやクリニックでの施術には十分に注意するしかありません。すなわち、「安かろう、悪かろう」です。しかし、今回のように、医師でない者が刺青の除去(これには脱毛と違い強い麻酔が必要です)まで行っていたのは、驚きですね。
教科書を出版しました~♪
2015年5月15日
皆さん、GWは楽しく過ごされたと思います。 僕は、ゴルフ三昧でしたが、ゴルフは数やればうまくなるというものでもなく、レッスンも受けるたびに下手になるようです。ゴルフに熱心なのは、昔からですが、最近、極端に下手になった理由は、先のブログにも書いたのですが、「気まま日記」を休んでいた理由とも共通します(もっとも、単なる加齢かも知れませんが、認めたくないので理由をつけています)。
それは、昨年の春から1年をかけて、マイクロサージャリーという形成外科や整形外科などの重要な手術法の一つを解説した「マイクロサージャリーの基本手技(克誠堂出版社より本年4月に刊行)」という教科書を作製していたからです(写真)。
約400ページ近い本になり、原稿書きとその校正(原稿のチェックですね)に土曜、日曜も潰していたので、思うように練習に出かけられなかったと思いたいのです。
マイクロサージャリーは顕微鏡やルーペを使って手術部を拡大し直径が2mm以下の細い血管や神経を縫ったり剥がしたりする手術法です。僕はこの手術の国際的なパイオニアの一人に挙げられています(自慢ではありませんが・・ちょっと自慢か?(^。^))。日本で盛んになってから約40年にもなるのですが、もちろん、臨床手術を始める前に、ネズミ(ラット)やウサギ(家兎)を使って十分な基礎訓練をすることになっております。ところが、最近は「実験動物」の管理や動物倫理が厳しくなり、若い医師たちの練習が思うようにできない施設(大学や病院)が増えているようです。このため、先輩の手術を見よう見まねで覚える(これも大変大切ですなのですが)人が多くなります。
このように、十分な練習をせず難しい手術に挑む風潮にあるのは、マスコミに大きく取り上げられている内視鏡下の手術の失敗などにも共通しています。ようするに、麓での十分な基礎訓練をしないで高山(エベレスト?とまで行かなくても)に登って遭難するのに例えれば分かりやすいと思います。ただ、この遭難は患者さんの方ですので、問題が大きいのです。僕が書いていた本は「麓の基礎訓練」を詳しく紹介したものなので、マイクロサージャリーを目指す若い外科医に是非読んでもらいたいと思っております。 最後は宣伝で済みません。 <(_ _)>
新たな気持ちで 再開しました。
2015年4月30日
今年の桜はあっという間に咲いて、あっけなく散ってしまいました。桜といえば、ソメイヨシノでしょうが、僕は山桜(「うばざくら」ではありませんー笑)も大好きです。僕の家の前は都立善福寺川公園ですが、今年は殊のほかソメイヨシノが見事に咲いて大勢の花見客でにぎわっていました(写真1)。
僕の徒然日記も、訳あってしばらくお休みしていましたが、桜の季節の4月から、また、少しずつ再開しようと思っていましたが、あっという間に日が過ぎて関東はハナミズキが満開になってしまいました(写真2)。まさに、光陰矢の如しとはよく言ったものですーもう少しすると「矢の如しが、リニアモーターの如し」になるのでしょうが。
徒然日記をお休みのしていた理由は、次の機会に・・・。
またこれから、医局員の新企画なども考えています。
時間があったら杏林大学形成外科・美容外科のHPも見てください。
↑写真1: 2015年のさくら (善福寺川公園の桜)
↑写真2: はなみずきの写真(2015年4月下旬撮影)